MENU
出版中の著書

【呼吸を】身体のコントロール方法【制する】

スポーツでの重要な局面、大勢の人の前に出るとき、プレッシャーがかかる場面で自然と呼吸が荒く、浅くなること、経験ありますよね。

それは自律神経と呼吸には密接な関係があり、自律神経の働きに呼吸が追従する性質があるからなんですね。

逆に、呼吸をコントロールすることで自律神経を操作し、意図的にメンタルを誘導することも出来ます。

そして、じつは呼吸を自在にコントロールすることは人間にだけ出来る働きで、高度な身体操作といえます。

それでは、どんな時でも自分の思うままにハイパフォーマンスが出せるよう、呼吸法について書いていきたいと思います。

どうしても練習や準備をしても本番でいつも力を出し切れないという人はぜひ参考にしてみてください。

目次

呼吸とは

呼吸とは生きるために必要不可欠なもので、細胞に酸素をいきわたらせ、二酸化炭素と交換し、最後に呼気によって排出することで生命活動を維持していきます。

そして、呼吸は吸気時には交感神経が活発になり、副交感神経が抑制されます。

逆に呼気時には、交感神経が抑制され、副交感神経が活発になります。

この性質から、過剰に興奮している時には呼気を長くとり、副交感神経に働きかけ、少し緊張感が欲しい、覚醒したい時には吸気を長くとることで交感神経に刺激が入り、活動する準備を整えることが出来ます。

そして、人には活動力を最大にするいわゆるゾーンのような状態になる脳波の周波数があり、その周波数に合わせる為に、自律神経をコントロールしていく必要があります。

この中間領域が具体的に(0,04~0,15Hz)の間の周波数になり、脳波で言えばアルファ波とベータ波の間の状態になります。

この周波数の中に自律神経を整えていくことでハイパフォーマンスな状態に身体をもっていく事が出来るのです。

呼吸に関する筋肉

呼吸には様々な筋肉が関与しており、その筋肉の緊張から呼吸の深さ、質に影響を与えてきます。

呼吸に関する筋肉として、具体的には、横隔膜、腹横筋、内外肋間筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、起立筋などです。

これらの筋肉が伸びることで吸気をし、緩むことで空気を吐くことが出来ます。

その為、吸うときには緊張し固くなり、吐くときには緩まり柔らかくなります。

筋肉が固いと伸びることが出来ず、空気をしっかり吸うことが出来ない為、酸素が足りなくなり、パフォーマンスも落ちてしまいます。

吐くことをしっかり行う事が筋肉の緊張をとることにも繋がり、筋肉が緩めばしっかりと吸う事が出来るようにもなります。

吐くことが注目される本や方法が多いのもこれが理由になってきます。

なるべく長く吐くことを意識し、吐ききってから少し時間をおいて意識せずに必要な分だけ吸い込むようにすると、自然な呼吸になります。

呼吸が与える身体への影響

呼吸が浅くなると筋肉が緊張し、酸素や栄養が足りなくなり、また筋肉が緊張する悪循環にハマってしまいます。

食生活の偏りなどから体が酸性に傾くと、呼吸を増やし体をアルカリ性へ誘導しようとします。

呼吸の回数が増えると、交感神経が優位に立ちやすくなったり、二酸化炭素と酸素のバランスが崩れ体に老廃物が溜まりやすくなってしまいます。

二酸化炭素は血液中で酸素との交換の役割を持っている為、少なすぎても多すぎてもだめなのです。

このように、呼吸の乱れが体の様々な場所へ影響を与える事。

そして、呼吸は一日に2万回以上、一生の内に2億回以上行うと言われています。

これだけの数が行われるのなら、体への影響は小さくなさそうですよね。

呼吸が与えるメンタルへの影響

呼吸筋の構成筋である、横隔膜は横隔神経というもので支配されています。

この横隔神経は他の内臓にも神経を通しており、必然的に呼吸の乱れによる横隔膜の機能の変化に伴って、横隔神経を通し、様々な器官へ影響を与えます。

このことから、呼吸の乱れが筋肉の緊張、体のコリだけでなく、内臓へも影響を与え、体全体の機能低下に繋がり、ひいては消極的思考へ誘導されてしまいます。

呼吸は自律神経とも大きな関わりがあり、呼吸の仕方で体全体のバランスを司る自律神経へ影響を与えます。

目的別呼吸法

目的は自分の体をニュートラルな状態へ導くことです。

その為に、吸気で交感神経が刺激され、呼気で副交感神経が刺激される性質を利用し、主体的にメンタルに働きかけることを行ってみましょう。

そして、自然呼吸と呼ばれる必要な分だけを取り入れる呼吸の場合は筋肉の介入を必要としません。

努力呼吸と呼ばれる大きく深呼吸したり、吸う時間、吐く時間を変える時にのみ、呼吸筋の、収縮などの影響を受けると言われています。

その為、呼吸に意識を置いたり、時間を変えたりすることがストレスになったりするのです。

効果的な呼吸の仕方としてオススメしたいのが、意識を呼吸に置かず、体を沿う点に意識を当てる方法です。

具体的には、まず上下の点の移動を意識します。

おでこの辺りに点を意識して、吸う動作に伴って胸から下へ移動し、丹田の辺りへ降りていきます。

そして、吐く動作と一緒に点がおでこへ戻っていくイメージで呼吸をしましょう。

慣れてきたら、今度は上下の線に左右の動きを入れていきます。

呼吸で下に下がってきた点を少し横にずらす間、呼吸を止めます。

そして、吸いたくなった、吐きたくなった時にまた上下へ点を移動させる。

この四角を点が辿るイメージで呼吸をしていきます。

そして最後に、呼吸を止めずに、円を描くように滑らかに点を描くイメージをして呼吸をしていきます。

このイメージで呼吸をしていくことで自然と深く滑らかな呼吸になり、筋肉を緊張させることなく深い呼吸ができる様になります。

最後に

呼吸に関する書籍、動画など様々なものがあると思いますが、どれもしんどかったり効果がいまいち分かりづらかったりしていました。

なので個人的なオススメとしては、呼吸に関する効果、自律神経への影響や、酸素の交換、筋肉への影響など、解剖学、生理学的な理解をしてしまい、後は自分の肌に合う呼吸法を試すことが一番かなと思います。

気持ちよく呼吸が出来、かつ意識も呼吸から離れている状態が一番自然で体の状態もベストな状態であると言えます。

しかし、その状態から離れてしまった時、自分のニュートラルな体へ戻すために効果的な介入方法として様々な呼吸法があります。

ぜひ皆さん自身でも調べてみて、自分の体で検証し、様々な場所へ適応することの出来る技術を身につけましょう!

心の疲れを取り除き、気力を充実させるには、私たち禅僧の修行が参考になると思います。規則正しい生活を送り、姿勢と呼吸を整えるのです。禅僧は、起床から就寝まで毎日決まった生活を送っています。朝早くから掃除で身体を動かし、読経で大きな声を出し、腹式呼吸を繰り返します。腹八分で満腹になるまで食べることはありません。野菜中心の食事ですから、肌がきめ細かくツヤツヤしています。

枡野俊明
目次